こどもの健康を一番に、宮城県名取市の小児科、かとうこどもクリニック

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「研究のスタートは微量元素II」

通常、臨床的には問題になりませんが、母乳中の亜鉛濃度は低い傾向があります。そして、生後から亜鉛の貯蔵量が減少しますが、一方、離乳食からの摂取により、亜鉛の血中濃度は1歳頃には正常化します。生体の亜鉛はこのような動態を示すので、亜鉛の貯蔵量が元々少ない未熟児では亜鉛欠乏症の報告が散見されていました。
 ある時、難治性の肢端皮膚炎を呈した母乳単独栄養の乳児例(姉妹)を経験しました(文献13)。満期産で栄養状態も問題ありませんでしたが、血液中の亜鉛濃度を測ると極めて低値で亜鉛欠乏症であることが判明しました。母親の血液および母乳中の亜鉛濃度を調べると、共に低値でした。両症例共に、亜鉛の経口投与により症状は劇的に改善・消失しました。
 これらの報告もあって、亜鉛がヒトに必須であることが確立しました。現在、市販の人工粉乳には亜鉛と銅が添加されています。医学の進歩により、人工粉乳は栄養価において母乳を凌いでいます。何らかの事情で人工粉乳を単独あるいは母乳と併用で行うことを躊躇するべきではありません。勿論、「愛情」の授乳も不可欠です。
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